就職活動の一次面接、二次面接、最終面接の通過率はどれくらい?
2018年03月06日更新
就職活動をしていて気になるのが面接の通過率です。就職活動の一次面接、二次面接、最終面接の通過率はどれくらいなのでしょうか?就職活動における面接の通過率の考え方もあわせてご紹介します。
*面接の通過率は企業の人気や面接回数によってかなりのばらつきがあるので参考程度に考えてください。
一次面接の通過率
就職活動の一次面接の通過率は平均すると「30~50%」と高めとなっています。面接回数が多いほど、一次面接の通過率は高くなりやすいです。
面接官も担当者レベルが多いので、最低基準を満たしていれば二次面接に通過させることが多いからです。
二次面接の通過率
就職活動の二次面接の通過率は平均すると「20~40%」の企業が多いです。二次面接の次が最終面接だと通過率は低くなります。
三次面接、四次面接と面接回数が多い場合は、二次面接の通過率は高くなります。
最終面接の合格率
就職活動の最終面接の通過率は平均すると「30~60%」のケースが多いです。社長や役員が面接官となるため、限られた面接日程で最終面接を行うことが必要です。そのため、最終面接の通過者数は少なくなり、最終面接の通過率は高くなりやすいです。
通過率の計算例
計算例1
応募者が殺到する大企業の計算例です。四次面接が最終面接となります。
全体の面接回数 :4回
一次面接への通過者数:1,000人
二次面接への通過者数:500人
三次面接への通過者数:250人
最終面接への通過者数:100人
採用予定人数 :30人
内定辞退率 :20%
内定数 :36人
一次面接の通過率 :50%
二次面接の通過率 :50%
三次面接の通過率 :40%
最終面接の通過率 :36%
一次面接の通過率の計算式は「500(二次面接への通過者数)÷1,000(一次面接への通過者数)=50%」となります。
二次面接の通過率の計算式は「250(三次面接への通過者数)÷500(二次面接への通過者数)=50%」となります。
三次面接の通過率の計算式は「100(最終面接への通過者数)÷250(三次面接への通過者数)=40%」となります。
最終面接の通過率は「36(内定数)÷100(最終面接への通過者数)=36%」となります。
大企業のため一次面接の最大対応人数も多いです。面接回数も多いので各面接の通過率は高めとなります。
計算例2
応募者が殺到する人気企業の計算例です。三次面接が最終面接となります。
全体の面接回数 :3回
一次面接への通過者数:1,000人
二次面接への通過者数:300人
最終面接への通過者数:60人
採用予定人数 :30人
内定辞退率 :20%
内定数 :36人
一次面接の通過率 :30%
二次面接の通過率 :20%
最終面接の通過率 :60%
一次面接の通過率の計算式は「300(二次面接への通過者数)÷1,000(一次面接への通過者数)=30%」となります。
二次面接の通過率の計算式は「60(最終面接への通過者数)÷300(二次面接への通過者数)=20%」となります。
最終面接の通過率の計算式は「36(最終面接への通過者数)÷60(三次面接への通過者数)=60%」となります。
人気企業ですが面接回数が3回と少ないため、一次面接と二次面接の通過率は低くなっています。
計算例3
中堅企業の例となります。三次面接が最終面接となります。
全体の面接回数 :3回
一次面接への通過者数:100人
二次面接への通過者数:50人
最終面接への通過者数:20人
採用予定人数 :5人
内定辞退率 :30%
内定数 :8人
一次面接の通過率 :50%
二次面接の通過率 :40%
最終面接の通過率 :46%
一次面接の通過率の計算式は「50(二次面接への通過者数)÷100(一次面接への通過者数)=50%」となります。
二次面接の通過率の計算式は「20(最終面接への通過者数)÷50(二次面接への通過者数)=40%」となります。
最終面接の通過率は「8(内定数)÷20(最終面接への通過者数)=40%」となります。
大企業のため一次面接の最大対応人数も多いです。面接回数も多いので各面接の通過率は高めとなります。
計算例4
採用予定人数に対して応募数が少ない企業の例となります。二次面接が最終面接となります。
全体の面接回数 :2回
一次面接への通過者数:50人
最終面接への通過者数:45人
採用予定人数 :30人
内定辞退率 :50%
内定数 :35人
一次面接の通過率 :90%
最終面接の通過率 :78%
一次面接の通過率の計算式は「45(最終面接への通過者数)÷50(一次面接への通過者数)=90%」となります。
最終面接の通過率の計算式は「35(最終面接への通過者数)÷45(二次面接への通過者数)=78%」となります。
募集しても人があまり集まらないのでよほどひどい人以外は採用しています。そのため、通過率は平均値よりもかなり高くなっています。このように通過率が目安からかけ離れている企業は多いです。
面接の通過率の考え方
各面接の通過率の変動要素は複数あります。変動要素がどう組み合わさるかで面接の通過率は変わります。
全体の面接回数
全体の面接回数によっても各面接の通過率は変わってきます。
面接回数が多いほど、各面接の通過率は高くなります。一方、面接回数が少ないほど、各面接の通過率は低くなります。
例えば、一次面接が最終面接になるなら通過率はかなり低いです。しかし、3回面接があるなら、最終面接までに少しずつ候補者を絞り込んでいくため、各面接の通過率は高くなることがわかります。
一次面接が最終面接→一次面接の通過率は低くなる
二次面接が最終面接→一次面接の通過率は中間
三次面接が最終面接→一次面接の通過率は高くなる
というようにどれだけ面接回数があるかで各面接の通過率は変わります。就職活動の面接は多い傾向にあります。全体の面接回数を考慮した上で通過率を考えてください。
各面接の最大対応人数
各面接で何人まで面接できるかによっても面接の通過率は変わります。
例えば、一次面接の最大対応人数が多ければ、一次面接への通過者数も多くなり、一次面接の通過率は低くなりやすいです。各面接の最大対応人数が多いほど、面接の通過率は低くなりやすいです。
一方、一次面接の最大対応人数が少なければ、一次面接への通過者数も少なくなり、一次面接の通過率は高くなりやすいです。各面接の最大対応人数が少ないほど、面接の通過率は高くなりやすいです。
ただし、就職活動では人事部だけでは人手不足となる会社が多いので、就活時期だけ人事部として手伝ってもらう人を増やしたり、一次面接や二次面接の面接官を人事部以外の社員にお願いしたりすることで対応しています。
そのため、人事部の数以上に一次面接や二次面接の最大対応人数は多くなります。一方、最終面接は社長や役員の日程調整をしなければいけないため、最大対応人数はかなり少なくなることが多いです。
一次面接を受ける人数と採用予定人数
一次面接の最大対応人数にもよりますが、一次面接を受ける人数と採用予定人数の比率で各面接の通過率は変わります。
例えば、一次面接を受ける人数に対して採用予定人数が少なければ、各面接の合格率は低くなりやすいです。
一方、一次面接を受ける人数に対して採用予定人数が多ければ、各面接の合格率は高くなりやすいです。限られた人数の中から採用候補者を選ばなくてはいけないからです。
新卒採用がうまくいっていない企業では、面接の通過率は高くなります。知名度の低い中小零細企業ではこのケースが多いです。
*一次面接を受ける人数はエントリーシートの選考次第となります。「就職活動のエントリーシートの通過率はどれくらい?」も参考にしてください。
各面接の合格基準
各面接の合格基準で通過率は変わってきます。
例えば、一次面接の合格基準を厳しくするなら、一次面接の通過率は低くなり、最終面接の合格率は高くなりやすいです。
一方、一次面接の合格基準を低くするなら、一次面接の通過率は高くなりますが、最終面接の合格率は低くなりやすいです。
また、最終面接の合格基準によっては最終面接の合格率は大きく変わります。最終面接で最終的に採用候補者を絞り込む場合、最終面接の合格率はかなり低くなります。
一方、最終面接は社長や役員による意思確認がメインとなるなら、最終面接の合格率は高くなりやすいです。また、新卒採用がうまくいっていない企業の場合も、とにかく採用をしなければいけないので、最終面接の合格率は高くなりやすいです。
内定辞退率
内定辞退率によって最終面接の合格率は変わってきます。また、内定辞退率を考えたうえで、最終面接までの通過者数を調整しています。
例えば、内定辞退率が低ければ、最終面接の合格率は低くなりやすいです。一方、内定辞退率が高ければ、最終面接の合格率も高くなります。
就職活動は同時に採用活動が始まるだけでなく、ギリギリまで就職活動をすることが可能です。そのため、内定辞退率が高くなりやすいので、最終的に何人入社するか内定辞退率を設定したうえで、多めに内定を出す企業が多いです。
まとめ
一次面接の通過率:30~50%
二次面接の通過率:20~40%
最終面接の通過率:30~60%
が就職活動における面接の通過率となっています。ただ、変動要素や計算例を見れば就職活動における面接の通過率は企業によって違うことがわかります。
就職活動の面接の通過率は目安程度に考えることが必要です。どんな企業でも内定をもらえるようにしっかりと面接対策を行いましょう。
著者
とば ひさし
武豊町議会議員、日本維新の会
インフォナレッジ株式会社社長
詳細プロフィール