転職エージェントに登録を断られる理由とは?「求人を紹介できない」と断られたときの対処法
2018年09月18日更新
転職エージェントに登録をしたのに「現在紹介できる求人がありません」と登録を断わられることがあります。
転職エージェントに登録を断られる理由とは何でしょうか?また、「求人を紹介できない」と転職エージェントに登録を断られたときの対処法をご紹介します。
目次
転職エージェントに登録を断られる理由
転職エージェントは「成功報酬」型のビジネスモデルなので、紹介した人が企業に採用されないと紹介手数料を受け取ることができません。
そのため、転職エージェント登録時の情報で「転職させることが難しい」と判断すると登録を断ってしまうのです。
転職エージェントも営利企業です。転職の見込みがない人の転職サポートをすることはできません。どれだけサポートしても転職できないのであれば利益にならないので
「現在紹介できる紹介がありません」
「希望条件に添える案件がございません」
というようにメールで断わってしまうのです。以下の理由に該当すると登録を断ることが多いです。
1. 紹介できる求人がない
転職エージェントは企業から紹介手数料を受け取ることで利益を出しているので、企業が求める人材を紹介しなければいけません。
企業の希望条件を満たないような人を紹介するようでは信用問題にも関わりますし、今後仕事を受けることも難しくなってしまいます。
企業の希望条件を満たさない人を紹介することはできないため、転職エージェントの登録基準を満たさないと紹介できる求人がないのです。
以下の特徴があると紹介できる求人がないという理由で登録を断られることが多いです。
低キャリア・低スキル
低キャリア・低スキルの人は企業の希望条件を満たすことが難しいので、転職エージェントから登録を断られやすい傾向にあります。
希望条件が高いかニッチ
希望条件が高い場合やニッチすぎる希望条件の場合、そもそも紹介できる求人がないため登録を断られてしまうことがあります。
新卒入社してから日が浅い
新卒入社をしてから日が浅いと即戦力として採用するのはかなり難しいです。ネガティブな理由で転職をしていることも多く、企業の希望条件を満たすことはできません。
第二新卒も以前より転職はしやすくなってきていますが、1年程度の勤務経験がないとかなり厳しいことが多いです。
そのため、新卒入社をして半年以内に転職活動を始めている場合、一般的な転職エージェントでは登録を断られることが多いです。
年齢が高い
転職エージェントは年齢が高くなるほど利用するのが難しくなります。年齢に応じたそれなりのキャリアがないと企業に紹介することができないからです。
40歳以上になると転職エージェントに登録しても「利用ができない」と断られる可能性が高くなることに注意してください。
短期間での転職回数が多い
短期間での転職回数が多い人は短期間で辞めてしまうことが多いだけでなく、キャリアに一貫性がなくスキルも低い傾向にあります。
企業が求める希望条件を満たすことも難しいですし、採用されてもすぐに辞めてしまうような人を紹介するわけにはいきません。
また、返金制度を採用している転職エージェントが多く、短期間で退職されると成功報酬を返金しなければいけません。これでは利益にはならないので紹介できる求人がなくなってしまい、登録を断ってしまうのです。
無職期間が長い
会社を退職してからの無職期間が長い人も登録を断られやすいです。ブランク期間の長さがネックとなってしまい、企業に紹介することが難しいからです。
ただし、介護や病気療養などの正当な退職理由があれば問題はありません。
登録情報が適当
転職エージェントの登録が面倒で適当に登録情報を入力する場合も、登録を断れやすくなります。
適当に入力しているので、いたずら目的で登録したと勘違いされることもあります。また、適当に入力しているので低キャリア・低スキルだと勘違いされやすくなります。
転職エージェントに登録するときの情報はしっかりと具体的にするのが、登録を拒否されないコツとなります。多少キャリアが低くても熱意があると感じてもらえます。
不景気
これは応募者のキャリアやスキルは関係ありませんが、景気の波次第で転職エージェントから登録を断られることがあります。
バブル崩壊やリーマンショックのように、未曾有の不景気である場合は、求人数が激減します。好景気であれば紹介できる求人があるのに、不景気なので紹介できる求人が圧倒的に少なくなってしまいます。
企業も不景気を乗り切ることを最優先にするので、採用活動を控えるのです。筆者もリーマンショックのときに転職活動をしましたが、登録時に何社か断られました。リーマンショックでなければ紹介できたと言われたこともあります。
自分ではいかんともしがたい不景気によって登録を断られることがあることも知っておいてください。不景気のときは転職サイトを利用するか、景気が回復するのを待つのも手です。
求人の取り扱いが少ない
転職エージェントによって得意としている業種や職種があります。また、あまり求人を取り扱っていない業種や職種もあります。
転職エージェントが保有している求人数が少ない業種や職種を希望すると、そもそも紹介できる求人数が非常に少ないので利用を断られやすくなります。
2. サービス対象外である
転職エージェントによってはサービス対象者を限定していることがあります。エリア、キャリア、年齢などがサービス対象外という理由で登録を断られることも多いです。これは登録するときにサービス対象者をきちんと調べるしかありません。
サービス対象エリアに住んでいない
大手転職エージェントであれば、主要都市に拠点があるため地方に住んでいても利用することができます。
しかし、中小転職エージェントになると関東圏しか利用できないということが多いです。例えば、東京しか対応していないのに鹿児島から登録をしてもキャリア面談やその後の面接調整も難しいです。
そのため、サービス対象エリア外に住んでいると転職エージェントを利用することが難しいので、登録を断わられてしまいます。
サービス対象業界・職種でのキャリアがない
大手転職エージェントは求人数も多いため、どんな業界・職種でも一定の求人数を紹介することが可能です。
しかし、中小転職エージェントは大手転職エージェントのように多くの企業に営業することは難しいので、業界や職種を特化していることが多いです。
例えば、IT業界に特化している転職エージェントにITに全く関係ない建設業界の人が登録するのは非常に難しいです。
未経験でも紹介できる求人があれば登録することはできますが、業界・職種特化型の転職エージェントではキャリアを求められることが多いです。
そのため、サービス対象業界・職種でのキャリアがないと登録を断わられやすいです。
*社会人未経験はほぼ断わられます。
サービス対象年齢ではない
大手転職エージェントであれば年齢関係なく利用できることが多いですが、サービス対象を20~30代向けのように年齢を限定している転職エージェントも多いです。
30代までは転職はしやすいのですが、40代以上になるとそれなりのキャリアがないと転職するのが難しくなっていくからです。
そのため、20~30代までしか利用できない転職エージェントに40代の人が登録しても断わられてしまうのです。
3. 今すぐの転職を考えていない
転職エージェントは転職希望者の転職意志もチェックしています。
「今すぐ転職したい」
「3ヶ月以内に転職したい」
というような人であれば転職意志が強いと考えるのですぐにサポートをしますが、
「半年以降に転職したい」
「1年後に転職をしたい」
というような人は転職意志が弱いと考えてしまいます。転職意志が弱い人は転職しないことも多いため、転職エージェントから登録を断られてしまうこともあります。
転職エージェントとしても今すぐ転職したい人を優先的にサポートしなければ利益にならないのです。
また、転職サポート期間は3ヶ月が基本なので、1年も転職サポートをすることができないという転職エージェントの事情があることも知っておきましょう。
「3ヶ月が基本?転職エージェントのサポート期間はどれくらいなのか」も参考にしてください。
4. 転職エージェントの都合
それ以外にも転職エージェントの都合で登録を断られることがあります。
例えば、売上ノルマ主義の転職エージェントであれば、年収が低いと登録を断ることがあります。
転職エージェントでは紹介した人が企業に採用されると、年収の30%程度の成功報酬を受け取ることができます。
しかし、年収が低いと成功報酬は低くなってしまいます。あまりに年収が低いと紹介しても労力の割に利益が見合わないという理由で登録を断ってしまうのです。
また、紹介できる求人があっても優先して対応するべき登録者ではないという理由で登録を断られることもあります。
それ以外にも大手転職エージェントは中小転職エージェントよりも登録基準が厳しいというケースもあります。
このように、転職エージェントの都合によって登録が断られることも意外と多いのです。
5. ブラックリストになっている
以前に利用していた転職エージェントの登録を断れた場合は、ブラックリストになっている場合があります。
利用していた時の態度がひどいとブラックリストになってしまい、その転職エージェントは二度と利用できなくなることがあります。
「転職エージェントにもブラックリストはある?ブラックリストに載ると転職エージェントは利用できないのか」も参考にしてください。
転職エージェントに断られたときの対処法
別の転職エージェントに登録してみる
転職エージェントに登録をしても落とされてしまうことはあります。転職エージェントを登録するタイミングや相性も正直あります。
そのため、転職エージェントに登録できなかったときは落ち込むことなく、別の転職エージェントに登録をしてください。
A社では登録を断わられてしまったけれど、B社には登録できたというケースは多いです。登録できそうな転職エージェントにどんどん登録しましょう。
まずは「おすすめの転職エージェント」を中心に気になる転職エージェントに登録をしましょう。
また、転職エージェントによっても断られやすさは変わります。以下のページも参考にしてください。
第二新卒向けの転職エージェントに登録してみる
第二新卒の人はキャリアが浅いことで登録を断られることが多いです。こんなときは第二新卒向けの転職エージェントに登録をしてみましょう。
第二新卒歓迎の求人が多いので、キャリアが浅くても登録しやすいのが特徴です。「第二新卒におすすめの転職エージェントランキング」も参考にしてください。
転職サイトを利用する
転職エージェントの登録に全滅してしまった人は、転職サイトを中心に転職活動をするしかありません。「評判・口コミがよいおすすめの転職サイト比較ランキング」も参考にしてください。
それでも転職できないなら?
それでも転職ができないという人はハローワークを利用するのも手です。また、今は転職をするときではないと考え、キャリアを磨いてから転職するという手もあります。
転職は必ず成功するわけではありません。自分を磨きながら転職のタイミングを待つのも良い手なのです。
豆知識:転職エージェントは登録を断っているわけではない
どうでもいい豆知識となりますが、転職エージェント(職業紹介事業者)は求職者の申込みを断ることはできません。なぜなら、職業安定法で以下のように定められているからです。
「(求職の申込み)第五条の六
公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者は、求職の申込みは全て受理しなければならない。ただし、その申込みの内容が法令に違反するときは、これを受理しないことができる。」
そのため、実際には転職エージェントには登録はできているという形を取っています。お断りメールでも「転職エージェントに登録できない」とは一言も言っていません。
むしろ「登録はできている」と伝えたうえで「紹介できる求人がありません」と伝えています。登録できていても求人紹介や転職サポートを受けられないのであれば、実質登録を断わられているようなものですけどね。
まとめ
「紹介できる求人がない」
「サービス対象外」
「今すぐ転職する気がない」
「転職エージェント側の都合」
などの理由から転職エージェントへの登録を断ってくることがあります。転職エージェントに登録を断わられてしまったときは、別の転職エージェントに登録をするしかありません。
登録を断わられることを恐れずに、利用できそうな転職エージェントに片っぱしから登録をしましょう。
著者
とば ひさし
武豊町議会議員、日本維新の会
インフォナレッジ株式会社社長
詳細プロフィール
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